こんにちは!中小企業のマーケティングパートナーの株式会社TORUSです。
Web広告とオウンドメディアは、注目されているオンラインマーケティング戦略です。
どちらもターゲット顧客にリーチし、売上を伸ばすことができる手法ですが、どちらの方が費用対効果が高いのでしょうか?
今回は、Web広告とオウンドメディアそれぞれのメリット・デメリットを比較し、どういった考え方をすれば費用対効果の高い運用ができるのかを、実例を交えて紹介します。
Web広告とオウンドメディアの特徴・メリット/デメリット比較
Web広告とオウンドメディアを比較する際に、まず考えなければならないのは、両者の特徴でありメリットとデメリットですよね。
Web広告の特徴・メリット/デメリットは?
Web広告の特徴
まずはWeb広告の特徴。Web広告と一口に言っても、さまざまな選択肢があります。
大きく分けると2つ。
- 検索エンジンでの広告(Google広告やYahoo広告)
- SNS広告(FacebookやInstagram、TwitterやYoutube)
検索エンジン広告(Google広告やYahoo広告)では、検索エンジンに特定のキーワードを入力した際に、見込み客をターゲットにすることができます。
一方SNS広告では、特定のオーディエンスをターゲットにし、カスタマイズされた広告を作成することができます。
広告を表示させるターゲットが異なるという違いは広告運用においてかなり大きな違いであり、商品提供までの導線や商品そのものを見極めた上でどちらを使うのかを決める必要があります。
ただ、どちらが有利/不利というのはなく、運用のさせ方次第でどちらのWeb広告も効果があります。
Web広告は、運用次第で今日からでも売り上げが見込める、ということが最大の利点。
ただ、運用する限り広告費というコストを支払続ける必要があります。
Web広告のメリット
Web広告のメリットはなんといっても「今日からでも売り上げを上げることができる」という点。これにつきます。
そのため、スタートアップ企業だったり新規事業の売り上げを作るための手段として、第一選択になり得ます。
また、改善しやすいという点もメリットの一つ。
Web広告は1日単位で結果を確認することができるので、毎日PDCAを回すことができます。
PDCAサイクルを回して広告効果を最大化できる企業にとっては、かなり有用な手段となり得ますね。
Web広告のデメリット
Web広告のデメリットは「広告を出稿する限り費用を出し続ける必要がある」という点です。
最大の結果を得るには広告運用にも多少のコツが必要なため、コツがわからなければ無駄に広告費を払い続けるだけになってしまうこともあります。
オウンドメディアの特徴は?
オウンドメディアは、企業が作成する、顧客向けに有益な情報を提供するブログ記事を指すことが一般的です。
(現在は、YoutubeやSNSなど含めて全てをオウンドメディアと指すこともありますが、本記事ではブログ記事をオウンドメディアとして話を進めます)
オウンドメディアが売り上げに貢献するためには、検索エンジンで上位表示させることが必須です。
Web広告であればお金を払うことで、検索結果の上位表示に繋げます。
しかしオウンドメディアは、検索エンジンに「この記事は有益である」ということを判断してもらい、検索結果の上位表示を狙う戦略です。
オウンドメディアのメリット
オウンドメディアの1番のメリットは、一度構築してしまえばオウンドメディアがWeb上の営業マンとして働き、顧客とのより深い関係を構築することが可能である点。
コンテンツを作成することで、貴重な情報やアドバイスの源として見てくれるような顧客(ファン)を獲得することができます。
そして、有益な情報を提示することで顧客の信頼を獲得できることにつながります。
オウンドメディアのデメリット
一方、オウンドメディアのデメリットは結果が出るまで時間がかかるという点。
検索エンジンで上位表示させるために、最低でも1年ほどは考えておく必要があります。
そして、オウンドメディアが完成するまでは、ほとんど売り上げに貢献しません。
また、初期コストが高額であることもデメリット。
オウンドメディアの構築には「外注化」か「社内でチームを作る」かの2択ですが、外注化する際には結果が出る前に支払いがあります。
そして、オウンドメディア構築の相場は100記事で300万円以上はしますし、記事の質や外注先にどこまで求めるかによって価格は変動します。
そういった費用を前払いできる余裕がある場合に、オウンドメディアは取り得る選択肢になるでしょう。
Web広告の費用対効果の考え方

Web広告とオウンドメディアのそれぞれの特徴・メリット/デメリットが整理できたところで、費用対効果について考えていきます。
まずはWeb広告の費用対効果について。
Web広告の費用対効果を考える上で重要なことは、顧客がActionをするのにどれぐらいのコストまで許容できるかを把握することです。
これを把握していない限り、Web広告は「なんとなくやってみた」ということにしかなりません。
ここで「Action」というのは、例えば「メールアドレス登録」「LINE登録」「電話での問い合わせ」「来店」「DMの請求」などを指します。Actionとはつまり、広告を出稿することでお客さんに取って欲しい行動のこと。
Actionを決めると、CPA(Cost per Action)の把握が可能になります。
CPA(Cost per Action)の把握は、Web広告を運用する上でとても重要。
なぜなら、CPAが許容できる値(CPAの上限)よりも少ない金額で広告運用できる(Actionを獲得できている)なら、その広告を出し続ければ理論上成長できるからです。
Web広告の費用対効果を考える上で重要なCPAを把握するためには?
Web広告の運営にはCPAの把握が重要でした。
じゃあ、CPAを把握するためにはもう一つ、重要なマーケティングの用語を理解する必要があります。
それは、LTV(Life Time Value)という指標。
LTV(Life Time Value)とは、最初の顧客になってから、あなたの会社に生涯どれだけ支払いをしてくれるのか?という金額のことです。
まずはこれを把握する。
LTVを把握することで、「じゃあLTVの金額から逆算すると許容できるCPAは?」というのを計算できるからです。
ただ、スタートアップ企業だとLTVはデータとして持っていないこともありますので、
- 「これぐらいはないと存続ができない」という金額
- 「通常であればこれぐらいのLTVがあるはずだ」という金額
- 「うまくいけばこれぐらいのLTVがあるはずだ」という金額
の3つ程度のシナリオを概算で考えておくことがいいです。
費用対効果の高いWeb広告ができたらそれを横展開する
Web広告の費用対効果を考える上で最大のメリットは、「複製しやすい」ということ。
例えば、あるWeb広告(例えばGoogle)で費用対効果の高い広告ができたとしたら、また別のWeb広告(例えばFacebookなど)で同じような広告を出せば良いわけです。
ひとつ費用対効果の高い広告が作成できれば、容易に複製することで費用対効果の高い広告を継続して作成することが可能な点はWeb広告の費用対効果を考える上で重要です。
オウンドメディアの費用対効果の考え方
Web広告の費用対効果の考え方がわかったところで、次にオウンドメディアの費用対効果を考えます。
オウンドメディアの費用対効果を考える上で重要なことは、オウンドメディア完成後に、月にどれぐらいの数の顧客がオウンドメディア経由でActionをするのか?を予測することです。
復習ですが、「Action」というのは、例えば「メールアドレス登録」「LINE登録」「電話での問い合わせ」「来店」「DMの請求」などを指します。Actionとはつまり、広告を出稿することでお客さんに取って欲しい行動のこと。
例えば、こんなことを考えます。
オウンドメディアを1年で構築したら、その時点からオウンドメディア経由で月に50件のメールアドレス登録が期待できる。
そのうち、10%が顧客となる(実際に自社商品を購入してくれる)。そして顧客のLTVは5万円である。
とした場合、オウンドメディアの価値は毎月「50*0.1*5=25万円」の価値を生み出してくれる資産になる。
この場合、毎月25万円を生み出してくれるということは1年間で300万円を生み出してくれるため、300万円で構築できれば1年で回収できる、という計算になります。
ここでも、LTVの考え方が入ってきていますね。
つまり、Web広告でもオウンドメディアでも、費用対効果を考える上で外せない指標はLTV(Life Time Value)なんです。
そして、オウンドメディアは成長させ続けることができます。
オウンドメディアで結果が出始めれば、それを継続して成長させる(記事を追加する、記事をリライトする)ことで、もっと売り上げを上げてくれるWeb上の営業マンになってくれることが期待できます。
【実例】Web広告とオウンドメディアの効果の例
当社代表である、吉田が経営する別会社の例を実際の数値を見ながらWeb広告とオウンドメディアの効果を見ていきましょう。
まず重要だったのは、LTVとCPAの整理でしたね。
この事業のLTVとCPAの考え方は下記の通りです。
Web広告もオウンドメディアも目的(お客さんにとって欲しいAction)はメールアドレスの登録。
顧客のLTVは10万円である(実際はこれ以上あるが最低ラインとして設定している)。
メルマガに登録した人は6%が顧客となることが、過去の運営からわかっている。つまり、10万円/ (1/0.06)=10万円/16.7=約6,000円という計算ができて、1メルマガ登録には6,000円の価値がある。
じゃあ、Web広告なら6000円未満でメールアドレスを取れれば広告を出し続けて良いし、オウンドメディアで取得できるメールアドレスの価値は6000円であると試算できる。
このような条件のもとで、Web広告とオウンドメディアの成績を見てみます。(2023年4月の実際の数値です)
Web広告とオウンドメディアの実際の費用対効果例
まずはWeb広告の実例です。Web広告には Facebook広告を使っています。
上記の通り、6,000円までは利益が出るのですが、それを大きく下回って2,170円でメールアドレスを獲得できています。
そして1ヶ月で208件ほど獲得できているため、208*6,000円=123万円の売り上げが将来的に獲得できることが期待されます。

次に、オウンドメディアでのメールアドレスの取得結果です。
下記の通り、171件のメールアドレスを広告費なしで獲得できています。
つまり、171*6,000円=102万円がオウンドメディアから生み出されているということです。
1年に換算すると、1,224万円がこのオウンドメディアから生み出すことができる、ということですね。
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結局はWeb広告とオウンドメディア両方の方法を組み合わせたマーケティング戦略を立てる
今まで見てきた通り、Web広告にもオウンドメディアにもメリットとデメリットがあり、結局は運用方法と経営を長期目線/短期目線で見るか、です。
結論から言えば、オンラインによるマーケティングを最大化するためには、Web広告とオウンドメディアを組み合わせるのが一番です。
まずWeb広告で売り上げを作り、商品やカスタマーサポートを改善していきます。
しかしWeb広告はコストを払い続けるため、Web広告で売り上げを上げている間にオウンドメディアを作成します。
オウンドメディアが検索エンジンで上位表示されるようになり、集客ができる段階になればオウンドメディアからの売り上げが徐々に上がっていきます。
オウンドメディアの活用でファンを獲得することができ、リピート購入を促進することができます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、Web広告とオウンドメディアそれぞれのメリット・デメリットを比較し、どういった考え方をすれば費用対効果の高い運用ができるのかを、実例を交えて紹介しました。
この記事を参考に、あなたの会社の業績が伸びれば幸いです!
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