これでROASのすべてがわかる！広告投資の回収効率を理解するために

インターネットの世界では、広告をあふれるほど目にしますね。

そして、インターネットでのビジネスを考えた時に、広告でのビジネス戦略において「ROAS」という言葉を耳にすることがあります。

実は、この言葉は広告を出稿する際のとても重要な指標なのです。

今回はこれからデジタル広告ビジネスを始めようという方向けに、

• 「ROAS」という言葉の意味
• 広告ビジネスにおいてどういう役割を果たすのか
• メリットとデメリット

などをわかりやすく解説します。

是非参考にしてくださいね！

ROASって何？

「ROAS」とは「Return On Ad Spend（リターン・オン・アド・スペンド）」の略語。

日本語では、簡単にいうと「広告の費用対効果」という意味になります。

広告投資の回収効率とは、その広告にかけたお金（投資）が、どれだけの成果を生み出しているかを示す数値のことです。

ROASは、このように「広告にかけたお金がどれほどの売上を生み出したか」を具体的に示してくれる重要な指標なんです。

ROASの基本とは

広告の世界では、お金をできるだけ効果的に使うかが成功のカギを握ります。

ROASはこの「効果のほど（回収効率）」を数字で示します。

たとえば、ROASが高い場合は、少ない投資で大きな売上を得ていることを意味します。

逆に、ROASが低い場合は、広告の投資効果が十分でないということがわかります。

つまり、この数値をきちんと把握し、その広告が最高の売上を生み出すような投資を行うために、非常に重要なのです。

ROASはどうやって計算するの？

ROASは、とても簡単な計算式。

ROAS（％）＝広告による売上 ÷ 広告費用×100（％）

たとえば、広告に50万円を使って100万円の売上があった場合、ROASは「200％」ということになります（100万円 ÷ 50万円×100）。

このように、その広告がどれだ売り上げたかを、簡単にしかも数字で把握できるのがROASの大きな魅力です。

ROASと似た指標：ROI？CPA？

広告の成果を評価する指標はROASだけではありません。

「ROI」や「CPA」というものも、広告の効果を具体的に評価できる指標としてよく使われます。

以下で、それぞれの特徴とROASとの違いを解説しますね。

ROIって？ROASとは何がちがうの？

ROIは「Return on Investment（リターン・オブ・インベストメント）」の英文頭文字を3つ並べた略語で、日本語では「投資の収益率」を意味します。

計算式はこちらも簡単。

ROI（％）＝利益÷ 投資したお金 × 100（％）

ROIは、ビジネスの広告費だけでなく、他の経費も含んだ全体的な投資に対して、どれだけの利益があったかを示す指標で、ROASは広告の効果のみに限定したもののことです。

また、ROASは広告投資に対する「売上」を示すのに対し、ROIは投資全般に対する「利益」を示します。

違いをまとめるとこんな感じですね。

• ROAS＝「広告投資」に対してどれだけの「売上」を産んでいるかの指標
• ROI＝「投資全般」に対してどれだけの「利益」を産んでいるかの指標

CPAって？ROASとの違い：顧客を獲得するのにどれだけの費用がかかったか

CPAは「Cost Per Acquisition（コスト・パー・アクイジション）」の英文頭文字3つを並べたもの。

日本語では「顧客獲得単価」、簡単にいうと、あるビジネスにおいてコンバージョン1件獲得するのにかかった費用のことをいいます。

あるユーザーが広告を見て商品を購入したり、サービスの契約などをした場合、その広告にどれだけ費用をかけた結果、顧客を獲得できたのかという効率のことです。

計算式はこんな感じ。

CPA＝広告費用÷コンバージョン数

ROASとCPA、両者ともに広告費用やそれに対する成果を示すという意味では似た指標ですが、測定範囲と目標が全然違います。

ROASは広告からの売上を測定するのに対し、CPAは成果件数あたりのコストを測定する、という違いがあります。

また、ROASは「売上」という明確な指標があるのに比べ、CPAは「コンバージョン数」です。

コンバージョンとは、必ずしも購入や契約といった売上だけではなく、例えばや資料請求、会員登録、体験予約など、そのときの目的に合わせた「成果」全般を指します。

なので、「売上」には直接的に反映されない成果を測るのにも大切な指標です。

違いをまとめるとこんな感じ。

「ROAS」＝広告投資による、「売上」への「投資効率」を示す指標

「CPA」＝「コンバージョン1件」に対する広告投資の「費用」を示す指標

違いを理解してしっかりと使い分けましょう！

ROAS・ROI・CPAを効果的なマーケティング戦略に活かそう！

ここまでの説明でこの3つの指標が、それぞれが異なる視点でそのマーケティングの成果を評価していることが分かった思います。

ROASによって広告のみの成果を、ROIによってビジネス全体の成果を、そしてCPAによって顧客を獲得するのにどれだけの費用がかかったか、を評価するんですね。

効果的なマーケティング戦略を立てるためには、これらの指標をうまく使い分け、ビジネスにかける費用をバランスよく配分することが大切です。

それぞれの指標をきちんと理解することで、より成功率が高くなる広告戦略を立てることが可能になるのです。

ROASのメリットは？

ここからは、ROASのメリットとデメリットを説明します。まずは、メリットから解説します。

広告の効果を具体的に数字で表す

ROASの最大のメリットは、「その広告の成果を具体的な数字で表すことができる」ということです。

これによって、その広告が生み出す利益率を明確に把握することができます。

また、どの広告が最も効果的か、あるいは逆に予算の無駄遣いになっている広告はどれか、といったことも正確に把握することができるのです。

効果的な広告の予算配分ができる

さきほど、解説した「その広告の成果を具体的な数字で表すことができる」ことによって、広告のどの部分にどれだけお金をかければよいか、といった効率的な広告の予算配分が容易にできます。

これは、効果的で効率の良いマーケティングを行うには不可欠な要素となります。

ROASのデメリット

さて、次はROASのデメリットを説明します。

長期的な戦略やブランド戦略には不向き

まず、ROASのデメリットとして「長期的な戦略には不向き」が挙げられます。

ROASは直近の広告の収益から割り出されるため、長期にわたる広告出稿によるその企業や商品、あるいはサービスなどの「知名度」を上げるための戦略（ブランド戦略）には向きません。

また、顧客獲得による直接的な収益などではなく、顧客の満足度を評価するといったような間接的な収益については評価することができません。

戦略のバランスを欠いたり、顧客ニーズを見落としてしまう

一口に広告費用と言っても、いろんな側面に費用がかかります。

しかし、ROASは広告の直接的な収益性のみを対象としているため、先ほど解説したような長期的な戦略の効果や間接的な収益の評価には向きません。

たとえば顧客との信頼関係やサービスや商品自体の品質などは評価できません。

このため、ROASのみに頼ると、全体的なマーケティング戦略がアンバランスになったり、顧客の本当のニーズを見落としてしまうというリスクがあります。

市場での競争力の強化にはつながらない

また、ROASに頼りすぎると、一時的な収益向上にはつながるものの、長期的なビジネスの成長や市場での競争力の強化にはつながらないというデメリットもあります。

ROASを上手く活用するには

ROASを上手く活用するには、「広告ターゲットを正確に絞り込むこと」、「広告の内容の質を上げること」、そして「予算をきちんと管理すること」がカギをにぎると言って良いでしょう。

これらの要因によって、より効率的で成果の高い広告戦略を実現できます。以下で、この3つの要因を細かく見ていきましょう。

「広告ターゲットを正確に絞り込むこと」

広告戦略を効果的にするには、その製品やサービスに関心を持ちそうなターゲットを正確に絞ることが大切です。

これには、市場調査やデータ分析を用いて、潜在的なニーズを持っている顧客層を洗い出し、その行動パターンや嗜好を理解することが大切です。

「広告の内容の質を上げること」

 「広告の内容の質を上げること」も大切です。

広告の内容、つまり何を訴えたいのかきちんと伝わる正確なメッセージ、そして魅力的なデザインの工夫もROASを高める重要な要素と言えます。

「予算をきちんと管理すること」

3-2.でも解説したようにROASは、効率的な広告の予算配分が容易にできます。

「その広告の成果を具体的な数字で表すことができる」ことによって、広告のどの部分にどれだけお金をかければよいか、といったことができるのです。

このことを、念頭に入れてROASを上手く活用し、予算をきちんと管理しましょう。

まとめ

この記事では、ROASの基本からメリット・デメリット、そしてROASを上手く活用する方法までを詳しく解説しました。

ROASは広告ビジネスにおいて重要ですが、それだけに頼るのではなく、他の指標や長期的な視点も併せて考慮することが重要です。

ROASをきちんと理解し上手く活用することで、広告の効果を最大限に引き出しましょう。

それがあなたのビジネスの成長につながりますよ！